タノムタスケタマヘの義

『親鸞の世界』(加茂仰順師)より引用

 御一代記聞書(末二十一丁)に「信心安心といへば愚痴のものは文字もしらぬなり。信心安心などいへば、別の様に思うなり。ただ凡夫の仏に成ることをおしふべし。後生たすけたまへと弥陀をたのめといふべし。何たる愚痴の衆生なりとも、聞きて信をとるべし」とあって、蓮師御再興の功勲は全く当流安心の一義を、「後生たすけたまへと弥陀をたのむ」ことであると示されることにあります。だから真宗安心をあらわす言葉として大切なものと言い得ます。ところが、この言葉の解釈に本如上人の時代に異説が出て、遂に三業惑乱を来すことになりました。それ以来この教語の研究が安心研究の中心になってまいりました。
 御一代記聞書(末二十三丁)に「聖人の御流は、たのむ一念の所肝要なり。(乃至)雑行すてて後生たすけたまへと一心に弥陀をたのめとあきらかにしらせられ候。然れば、御再興の上人にてましますものなり」とあります。
 タノムの語は、御文章の中に一三三ヶ所出ています。しかもこの語は横川法語に源して、法然上人や宗祖の釈文にも見えています。
 タノムの漢字は、恃、怙、憑、頼などがありますが、今は帰命と信とが真宗教義をあらわすにふさわしいものです。帰を「たのむ」という例は、行の巻(二十五丁、五十丁)、真仏土の巻(十四丁)、和讃等にあり、御文章(二の七)に「その正行に帰するといふは、なにのやうもなく、弥陀如来を一心一向にたのみたてまつることはりばかりなり」とあるのがそれです。
 また、信の字を「タノム」と訓ずるのは、疑惑讃に「不思議の仏智をたのまねば」或は「仏智不思議をたのむべし」とあり、また、唯信鈔文意(三十一丁)にも同じようなお示しがあります。御文章(五の六)には「一念に弥陀をたのみたてまつる行者には、無上大利の功徳をあたへたまふこころを『和讃』にいはく、五濁悪世の有情の、選択本願信ずれば」等とあります。
 この故に、「たのむ」とは帰命のことであり、信のことです。だから本願の勅命に帰順乗託することを名づけて、あてたよりにする心に名づけるのであって、祈願や請求ではありません。
 「たすけたまへ」は、御文章の中で二十五章、二十九カ所に亘って示されています。
 文法の上から言えば、命令の語です。この語は相手によって請求とも、許諾ともなります。真宗の信は、名号聞信の信心歓喜であります。即ち、「一心正念直来、我能護汝」という先手の勅命に向って、「たすけたまへ」と言うのでありますから、許諾の意です。
 要するに、「後生たすけたまへとたのむ」という意味は、必らず助けんの勅命に向かって、御意の如くお助け下さいと信順するのみであります。だから、御裁断の御書には「ただこれ大悲の勅命に信順する心なり」と、はっきりお示し下されてあるのです。
 殊に蓮師の上で、「疑なく信ずる」となされる文証は、「阿弥陀如来たすけたまへとふかく心に疑なく信じて」(御文章五の四)とあるのがそれであります。

(p.58~p.60)


【参照】
「たのむ」「たすけたまへ」はとても大事なお言葉ですが、特に現代の私達にとっては非常に間違いやすいお言葉でもあります。詳しくは、

『21世紀の浄土真宗を考える会』タノムタスケタマヘ

を読んで頂ければと思います。ブログのトップページの左横、又は下方のタグを使うと便利です。「タノムタスケタマヘ」に関連する記事の一覧が出ます。引用した加茂仰順師の文章も解説されています。
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(淳心房)
平成21年10月に親鸞会を退会し、「親鸞聖人の正しい教えを真偽検証する」ということで、専らコメンテーターとしてやってきました(^^)v
しかし、ようやく自分の中での真偽検証は終了したので、名前も改め、淳心房と名乗ります♪
ただし「真偽検証」は今まで馴れ親しんだ名前ですし、親鸞会教義が親鸞聖人の正しい教えなのかどうなのか、一人一人が真偽を検証して頂きたいと思い、ブログのタイトルとして残しました。
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平成21年8月に親鸞会を退会しました。淳心房さんと共同でブログを書いています。何かありましたらメール下さい~
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