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【考察】念仏の勧めについて(7)

A先生側の方々も、先生を擁護したい気持ちはよく分かります。私も高森教徒だった頃は、高森会長の教えは絶対正しいと信じ、これに異を唱える人は教えがよく分かっていないからだと決めつけ、相手の主張は、受け容れるどころか「何とかこれを破ってやろう」という気持ちで苦々しく聞いていたものです。

しかし考えてみて下さい。A先生は大江淳誠和上が提唱したと言っている、「18願を五願に開いた」という説に異を唱えて、「成就文を五願に開いた」という説を立てて騒いでいます。それは良くて、私がA先生の主張した「阿弥陀仏は念仏を称えよと仰っていない」という説に異を唱えることは悪いのでしょうか?

また、A先生がなされることは破邪顕正で正しく、私がすることは正法誹謗で間違いなのでしょうか?

恵日会やどこかで、皆さんがA先生や他の先生の元で本願の御法を慶ばれているというのは大変素晴らしいことだと思います。そこは同じ念仏者同士、手を取って慶び合いたいところです。ただそれと、A先生が今主張している説が正しいかどうかということは別の話です。それを混同されないようお願いしたいと思います。

何度も書いている通り、「阿弥陀仏は念仏を称えよと仰っていない」という教えなど浄土真宗にはありません。あるのなら、それを経論釈の上で真実の仏法だと証明して見せて下さい。そうしたら私も黙ります。



さて、第十七願をどのような願と見るかによって、「行」の捉え方が違ってきます。

十七願は往生の因行である名号の成就を誓った願と見る説が一つ。もう一つは、十七願は諸仏が称名を勧めた願と見る説です。前者の説を採用する人たちは、大行とは「名号」そのものであると主張し、一方で後者の説を採用する人たちは、大行とは「他力の称名」であると主張しているようです。前者のグループを所行派、後者のグループを能行派と呼ぶ人もあります。

なお私は、この両説の内、片方を取り上げて片方を間違いだと非難するつもりはありません。両説のどちらも頷けるものがあり、共に片方だけでは説に弱点が存在するからです。大行とは諸仏讃嘆の名号であり、如実讃嘆の称名であり、弥陀・釈迦・諸仏の本意にかなった唯一の成仏法であると私は領解しています。そのことを経典の上で証明しているのが、大行釈以下の引文です。

ちなみに引文の中の『大阿弥陀経』は、『二十四願経』と言われるように本願の数が24です。本願の数が24であるのは『平等覚経』も同じです。この二つの経典は前期無量寿経と言われています。この二経は、『大経』の第十七願と第十八願に相当する願が一つの願として誓われています。

第四に願ずらく、〈それがし作仏せしめんとき、わが名字をもつてみな、八方上下、無央数の仏国に聞かしめん。みな諸仏おのおの比丘僧大衆のなかにして、わが功徳・国土の善を説かしめん。諸天・人民・蜎飛・蠕動の類、わが名字を聞きて慈心せざるはなけん。歓喜踊躍せんもの、みなわが国に来生せしめ、この願を得ていまし作仏せん。この願を得ずは、つひに作仏せじ〉『大阿弥陀経』引文

〈われ作仏せんとき、わが名をして、八方上下、無数の仏国に聞かしめん。諸仏おのおの弟子衆のなかにして、わが功徳・国土の善を嘆ぜん。諸天・人民・蠕動の類、わが名字を聞きてみなことごとく踊躍せんもの、わが国に来生せしめん。しからずはわれ作仏せじ〉『平等覚経』引文

ここでは、『大経』の十八願文に相当する部分に「わが名字を聞きて」と説かれています。これは本願成就文の「聞其名号」と同じです。そればかりか、『大阿弥陀経』四願と『平等覚経』十七願は、構造的に『大無量寿経』の第十七、十八願成就文と非常によく似ています。

阿弥陀仏は、御自身の名を十方諸仏に讃嘆させ、十方衆生に聞かしめて浄土に迎え取ろうと、諸仏の称名と衆生の聞名を一体に誓われていることが判ります。このように経典の根拠を見てみますと、「大行」とは「名号」そのものを指すと主張する説も頷ける話ではあります。

ところが、称名破満の釈の後に出てくる論釈の文では、諸仏の称名ではなく、また衆生の聞名ばかりでもなく、衆生の称える念仏が説かれています。ですから、「名号」そのものという理論に留まらず、それが衆生に届いて「信心」となり、「称名」となる、その「称名」を「大行」というんだという説も頷ける話であります。実際、「行文類」にて親鸞聖人は、大行のものがらを称名と指定されています。

特に親鸞聖人は、法然聖人の選択本願念仏論の真実性を証明すべく『教行証文類』を著されましたから、その内の真実行に称名の意がなければ当然おかしな話になります。法然聖人の

正定の業とはすなはちこれ仏の名を称するなり。称名はかならず生ずることを得。仏の本願によるがゆゑに『選択本願念仏集』引文

という教えに対して、

念仏成仏すべし決釈

と応答されたのが親鸞聖人ですから、「大行」に「称名」の意があることは自明の理です。なぜなら

仏の本願によるがゆゑに

だからです。淳心房が勝手に言ってるんじゃない。阿弥陀さまの本願にそう誓われているからです。


ともかくも、釈尊は諸仏のお一人として本願の名号をお説きになり、念仏を勧められましたが、これはその本となる本願に「衆生に我が名を聞かしめたい、称えしめたい、浄土へ迎え取って仏に成さしめたい」という大悲があったからです。阿弥陀仏の要請に応じて釈尊は『無量寿経』を説いて本願の名号を勧められたのですから、阿弥陀仏が念仏を称えよと仰っていなければ釈尊も勧められるわけがありません。

阿弥陀仏は念仏を称えよと仰っている

親鸞聖人の教えにおいては当たり前の当たり前のことです。これと真逆なことを主張して、いたずらに道俗や同門の僧侶を言い驚かさないで頂きたいものです。
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質問と感想

いつも更新ありがとうございます。

よろしければ、お考えをお聞かせください。

と言いますのも、某ブログでコメントの応酬が行われ、色々な立場からの意見が出て、こちらのブログ主さんのコメントがあったりもしたのち、一応の収束を見ました。
その全容についても、ご理解されたものと思ってます。
その後、元講師さんから、先のブログにおけるコメント欄と、こちらのブログにもご意見がありました。
その内容はこちらのブログの本来の趣旨とも合致しているものと思われるものでした。

その上で、これまでと同じスタンスの記事がアップされたので、少しわからなくなってしまいました。
ブログを書かれる目的が今は変わったということでしょうか。
今回の件についても、事ここに至って、何のために追及を続けられるのか、どうなることが着地点だと考えていらっしゃるのか、お聞かせいただけないでしょうか。

お念仏の勧めや、本願の行信について、お聖教や、その解説書を引用したうえで、ご自身の領解を通して、毎日のように記事を書いてくださることは、こちらの学びにもなって、とても有り難いです。
ただ、誰かを批判する内容がこれだけあると、どうしても批判が一番言いたいことのように伝わってきてしまいます。(それどころか、面白いもので、「阿弥陀仏は念仏を称えよと仰っていない」というフレーズが一番意識に残ってしまうくらいです)

正直、そういった部分がない方が内容の理解に意識が向きやすく、また、わからない点について、質問などもしやすいと感じています。
仰っていることが難しくて、わからない点があって質問したくても、反論と受け取られてしまうならまだしも、誰かを擁護するための盲信者の発言として見られてしまうのではないかと思うと、なんだかハードルが高くて躊躇してしまいます。

基本、批判でもなんでも自由に好きに書いていただければと思っていますが、せっかくの機会なので、感想も述べさせていただきました。

よろしくお願いします。

Re: まだ名前はありません様

コメント、ありがとうございます。

> ブログを書かれる目的が今は変わったということでしょうか。
> 今回の件についても、事ここに至って、何のために追及を続けられるのか、どうなることが着地点だと考えていらっしゃるのか、お聞かせいただけないでしょうか。

特に変わってはおりません。
未だ考察を続けているのは、「阿弥陀仏は念仏を称えよと仰っている」と釈尊も七高僧も親鸞聖人も教えられている、念仏は阿弥陀仏自身が選択された往生の正定業である、だから等しく念仏を勧められているということを示すためです。今はまだ途中段階であるというだけです。


> 「阿弥陀仏は念仏を称えよと仰っていない」というフレーズが一番意識に残ってしまう

尤もだと思います。ただ、これを言い出したのは私ではありませんし、これを頑として曲げなかったのも私ではありません。それどころか、「それは浄土真宗に無い教えだ」と批判する者を正法誹謗だと言うのです。ならば私はどちらが正法かを見ていこうということで書いています。
プロフィール

淳心房&しゃあ

Author:淳心房&しゃあ
(淳心房)
平成21年10月に親鸞会を退会し、「親鸞聖人の正しい教えを真偽検証する」ということで、専らコメンテーターとしてやってきました(^^)v
しかし、ようやく自分の中での真偽検証は終了したので、名前も改め、淳心房と名乗ります♪
ただし「真偽検証」は今まで馴れ親しんだ名前ですし、親鸞会教義が親鸞聖人の正しい教えなのかどうなのか、一人一人が真偽を検証して頂きたいと思い、ブログのタイトルとして残しました。
一人でも見て下さる方があれば幸いです☆


(しゃあ)
平成21年8月に親鸞会を退会しました。淳心房さんと共同でブログを書いています。何かありましたらメール下さい~
singikensho@yahoo.co.jp
(スパム防止のため@を大文字にしてあります。メール送信時は小文字に変えて下さい。)

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