教学聖典4号(18)ー「一心専念弥陀名号」の御文

親鸞会発行の『教学聖典4号』(18)の答えに、

一心専念弥陀名号 行住座臥 不問時節久近
念々不捨者 是名正定之業 順彼仏願故


という善導大師の『観無量寿経疏・散善義』のお言葉があります。
このお言葉は、『散善義』の中の深心釈において、就行立信(行に就いて信を立つ)の釈に出てくる文章です。
そこには、広く経論の中に往生の行として説かれていたさまざまな行業を、本来は非往生行であった雑行と、往生行であった正行に分判し、雑行を捨てて正行に帰すべきことを明かし、さらにその正行の中に助業と正定業とを判別されています。五種の正行のうち、読誦・観察・礼拝・讃嘆供養の前三後一は非本願の行であるから助業とし、第四の称名一行のみが、阿弥陀仏の本願に往生行として誓われているという理由をもって正定業と断定し、所信の行法として説かれています。

親鸞会にいたとき、この善導大師のお言葉の意味を聞いたことはありませんでした。親鸞聖人が『一念多念証文』で解説されていますので、今日は、そのお言葉を拝読したいと思います。


「一心専念」(散善義)といふは、「一心」は金剛の信心なり、「専念」は一向専修なり。一向は余の善にうつらず、余の仏を念ぜず、専修は本願のみなをふたごころなくもつぱら修するなり。修はこころの定まらぬをつくろひなほし、おこなふなり。専はもつぱらといふ、一といふなり、もつぱらといふは、余善・他仏にうつるこころなきをいふなり。

「行住座臥不問時節久近」といふは、「行」はあるくなり、「住」はたたるなり、「座」はゐるなり、「臥」はふすなり。「不問」はとはずといふなり、「時」はときなり、十二時なり、「節」はときなり、十二月、四季なり。「久」はひさしき、「近」はちかしとなり。ときをえらばざれば不浄のときをへだてず、よろづのことをきらはざれば不問といふなり。「是名正定之業順彼仏願故」といふは、弘誓を信ずるを報土の業因と定まるを正定の業となづくといふ、仏の願にしたがふがゆゑにと申す文なり。



この中で「一向は余の善にうつらず、余の仏を念ぜず」と教えられています。
【検証】一向専念無量寿仏とは
【検証】一向専念無量寿仏とは(2)
では、蓮如上人や存覚上人のお言葉から、「一向専念無量寿仏」とは、阿弥陀仏以外の仏や神に仕えないことだけではなく、諸善に心を止めないことであると述べましたが、親鸞聖人も同じように教えられていることが分かります。

法然聖人は、『選択本願念仏集』三輩章において、

しかるに本願のなかにさらに余行なし。三輩ともに上の本願によるがゆゑに、「一向専念無量寿仏」(大経・下)といふ。「一向」は二向・三向等に対する言なり。例するにかの五竺(印度)に三寺あるがごとし。一は一向大乗寺、この寺のなかには小乗を学することなし。二は一向小乗寺、この寺のなかには大乗を学することなし。三は大小兼行寺、この寺のなかには大小兼ね学す。ゆゑに兼行寺といふ。まさに知るべし、大小の両寺には一向の言あり。兼行の寺には一向の言なし。いまこの『経』(同・下)のなかの一向もまたしかなり。もし念仏のほかにまた余行を加へば、すなはち一向にあらず。もし寺に准ぜば兼行といふべし。すでに一向といふ、余を兼ねざること明らけし。すでに先に余行を説くといへども、後に「一向専念」といふ。あきらかに知りぬ、諸行を廃してただ念仏を用ゐるがゆゑに一向といふ。もししからずは一向の言もつとももつて消しがたきか。

と教えられています。「一向」とは、念仏以外の余善に心を移さないことであり、「諸行を廃してただ念仏を用ゐるがゆゑに一向といふ」とも説かれているように廃立の義を顕しているといわれているのです。
親鸞聖人が「余の善にうつらず、余の仏を念ぜず」といわれるのはそれを承けた釈です。「専はもつぱらといふ、一といふなり、もつぱらといふは、余善・他仏にうつるこころなきをいふなり」と教えられているのも同じ意味です。


「専修は本願のみなをふたごころなくもつぱら修するなり」といわれた「ふたごころなく」は疑いを雑えない一心のことであり、「もつぱら修するなり」は一行のみをおこなうことです。

この一心一行が往相回向の行信の相なのです。その一心一行を『唯信鈔文意』では、

「教念弥陀専復専」といふは、「教」はをしふといふ、のりといふ、釈尊の教勅なり。「念」は心におも ひさだめて、ともかくもはたらかぬこころなり。すなはち選択本願の名号を一向専修なれとをしへたまふ御ことなり。「専復専」といふは、はじめの「専」は一行を修すべしとなり。「復」はまたといふ、かさぬといふ。しかれば、また「専」といふは一心なれとなり、一行一心をもつぱらなれとなり。

と勧められています。

南無阿弥陀仏の御名となって成就されている阿弥陀仏の本願を聞き、本願に信順し、相応しているような称名を「専修は本願のみなをふたごころなくもつぱら修するなり」と表されているのです。つまり、専修念仏とは、本願に信順している相です。


最後に、ここでは、『「是名正定之業順彼仏願故」といふは、弘誓を信ずるを報土の業因と定まるを正定の業となづくといふ、仏の願にしたがふがゆゑにと申す文なり。』と、善導大師が教えられた称名正定業を、親鸞聖人は信心正定業として教えられています。

阿弥陀仏が念仏往生の本願を立て、称名を正定業と定められているのです。その本願の信心とは、「念仏を正定業と選択された本願」を信受することですから、信心の内容は称名正定業ということになります。
念仏往生の弘誓を信ずるとき、私の報土の業因が定まるのです。そして、信受された南無阿弥陀仏は、称名となって生涯相続されるのです。


親鸞聖人のお勧めは、この本願力回向の行信一つでした。『教行証文類』総序には、

穢を捨て浄を欣ひ、行に迷ひ信に惑ひ、心昏く識寡く、悪重く障多きもの、ことに如来(釈尊)の発遣を仰ぎ、かならず最勝の直道に帰して、もつぱらこの行に奉へ、ただこの信を崇めよ。

と、本願力回向の行信を勧めていかれたのです。このお言葉の解説は、『21世紀の浄土真宗を考える会』行に奉え、信を崇めよでなされていますので、合わせて読んで頂けたらと思います。


19願の方便願に腰を据えて、
「一行一心をもつぱらなれ」
「もつぱらこの行に奉へ、ただこの信を崇めよ」

という親鸞聖人のお勧めに反しているのが親鸞会です。

『教行証文類』総序のお言葉の大部分は教学聖典の答えに出てきます。しかし、上で提示した部分は出てきません。都合の悪い御文は「知らんほうがいい」と指示して読ませないのが親鸞会の体質なのです。
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会長の聖典はカスだらけ?

昔、白隠さんが天皇の前で説法した時、「正味ばかりでカスはない」と御簾を上げるように天皇に向かって言いましたが、会長は聖典をカスだらけとでも思っているのでしょうか?

「知らなくていい」ということは、「知らない、読んだことがない」ことの裏返しであり、会長の無知の証明でしょうね。

No title

>親鸞会にいたとき、この善導大師のお言葉の意味を聞いたことはありませんでした。

ほんとにそうですね。
それで正統な親鸞学徒とか、教学講義とか言っていたのですから、恥ずかしい限りです。

>カウフマン様

親鸞会は、教義に都合のよい部分を断章して抜き出し、真宗の教えを利用しているに過ぎません。宿善などはその典型例です。
アニメで、弁円の弟子が「経典を都合のよいように解釈して…」と親鸞聖人を非難していますが、経典やお聖教を都合のよいように解釈しているのが実は親鸞会だとは、会員は知らないでしょうし、思いたくないことでしょう。しかし現実はそうなのです。
「知らなくていい」ということは会長ではなく幹部講師の発言ですので、「教義の誤りがばれてしまうので読ませたくない」ということかと思います。会長は「知らない、読んだことがない」かも知れません。

>mu-min様

「正統な親鸞学徒」を自称しながら、自身は珍しい教えのオンパレード。また、自分の信心すら明かせない、質問に答えない、相手側の主張をねじ曲げる、質問で返して逃げ回る、そんな弟子(講師)がいるとはどういうことでしょうね?
そんな体たらくで正統だと言われても失笑です。

いつか会長が「誤りがあれば指摘して頂きたい。何千万円でも差し上げます」というようなことを言っていましたが、「何という自信か」と会員に見せつけ安心させたかっただけなのでしょう。教えをねじ曲げることは会長が言うように腹切りものですから、言った通り腹切って詫びてもらいたいものです。まぁできないでしょうけど…
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(淳心房)
平成21年10月に親鸞会を退会し、「親鸞聖人の正しい教えを真偽検証する」ということで、専らコメンテーターとしてやってきました(^^)v
しかし、ようやく自分の中での真偽検証は終了したので、名前も改め、淳心房と名乗ります♪
ただし「真偽検証」は今まで馴れ親しんだ名前ですし、親鸞会教義が親鸞聖人の正しい教えなのかどうなのか、一人一人が真偽を検証して頂きたいと思い、ブログのタイトルとして残しました。
一人でも見て下さる方があれば幸いです☆


(しゃあ)
平成21年8月に親鸞会を退会しました。淳心房さんと共同でブログを書いています。何かありましたらメール下さい~
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(スパム防止のため@を大文字にしてあります。メール送信時は小文字に変えて下さい。)

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