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津国郡家の主計と申す人あり。ひまなく念仏申すあひだ、ひげを剃るとき切らぬことなし。わすれて念仏申すなり。

昔の念仏者には我々の常識ではとても考えられない方が多くいた。例えば摂津の国の主計。

『御一代記聞書』(62)
一 津国郡家の主計と申す人あり。ひまなく念仏申すあひだ、ひげを剃るとき切らぬことなし。わすれて念仏申すなり。人は口はたらかねば念仏もすこしのあひだも申されぬかと、こころもとなきよしに候ふ。

【現代語訳】
 摂津の国、郡家村に主計という人がいました。
いつも絶えることなく念仏を称えていたので、ひげを剃るとき顔のあちこちを切ってばかりいました。
ひげを剃っていることを忘れて念仏を称えるからです。
「世間の人は、ことさらつとめて口を動かさなければ、わずかの間も念仏を称えることができないのだろうか」と、何とも気がかりな様子でした。


これについて、『我が師村田和上』(桜井 鎔俊)には次のように記されている。

津の国とは摂津国(現大阪府)、郡家は役名であろう。『伝記』に依れば、この郡家の主計なる人物は、非常に貧しくて困り果て、清水の観音に「福徳を授かりたい」と祈願した。満願の霊告に、「これより東の方へ尋ねて行け。必ず汝に福徳を授けてくれる人に出会うであろう」というお言葉を聞き、お告げのとおり東の方を尋ねて行くと、数人のお同行たちがお寺参りの帰りらしく、念仏して通るのに行き合い、事の次第を語り、尋ねると、異口同音に「それは野村殿(蓮如上人住居、住居をもって聖者の尊称とした)のことであろう」と、上人のご住居を教えてくれた。教えられたとおり野村殿に上人を訪ね、詳しく次第を物語ると、上人は快く承諾され、「七日間滞在し、続けて法縁に会いなさい」と言われるのであった。彼はお言葉のとおり毎日法縁の席に列していた。三日目の法縁の果てた後、一般の参詣者は帰っても、彼は独り残り、大声をあげて泣いていた。上人が、その訳を尋ねられると、彼は答えて言う。「われこの世の福徳に惑い、後生の大事を忘れたり」と。

この返答の語は原文のままを掲載したが現代語で言えば、夢幻泡影の如く実体のない幸福を追及して、永遠不滅なる真実の幸福の何であるかを知らなかったと、懺悔したのである。その時、上人は彼の懺悔を尊く思われ、彼のために一文を書き与えられたのが、現在まで伝わっている蓮如上人五帖一部の『おふみ』の第五帖目第六通であるという。

一念に弥陀をたのみたてまつる行者には、無上大利の功徳をあたへたまふこころを、和讃に聖人のいはく、五濁悪世の有情の、選択本願信ずれば、不可称不可説不可思議の功徳は行者の身にみてり。(以下略)

 この『おふみ』の書きぶりが、他の『おふみ』の書きぶりと、かなり違っている点を考えると、かの『蓮如上人伝記』の編者の伝えたところの物語とともに、いかにも真実を伝えているように思われる。このことは、村田和上の御法話にも出たことがあった。この予備知識をもたずに、かの『蓮如上人御一代聞書』のグンケのカズエの条下を読んでも「ヒゲをそるときも念仏を忘れず申すので、顔を切らぬことがなかった」と蓮如上人から誉められるような念仏者に、どうしてなり得たのか、理解に苦しむであろう。

(p.211~p.213)


私もこれを読むまではどうして髭剃りしている時まで、口の周りを切ってまでお念仏しているのか理解できなかったが、こういう物語を聞かせて頂くとそれが少し分かる気がする。

蓮如上人は信心決定の人のまねをせよと仰せられている()が、信心決定の念仏行者であるならばなおさら先人のお念仏に対する姿勢位は見習わねばならないと思った。

なんまんだぶ、なんまんだぶ、なんまんだぶ・・・
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淳心房&しゃあ

Author:淳心房&しゃあ
(淳心房)
平成21年10月に親鸞会を退会し、「親鸞聖人の正しい教えを真偽検証する」ということで、専らコメンテーターとしてやってきました(^^)v
しかし、ようやく自分の中での真偽検証は終了したので、名前も改め、淳心房と名乗ります♪
ただし「真偽検証」は今まで馴れ親しんだ名前ですし、親鸞会教義が親鸞聖人の正しい教えなのかどうなのか、一人一人が真偽を検証して頂きたいと思い、ブログのタイトルとして残しました。
一人でも見て下さる方があれば幸いです☆


(しゃあ)
平成21年8月に親鸞会を退会しました。淳心房さんと共同でブログを書いています。何かありましたらメール下さい~
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