『教行証文類』の概要(10)ー真実の信

『聖典セミナー教行信証[教行の巻]』(梯 實圓師)より引用

真実の信

 「信文類」には、阿弥陀仏より回向された大信心が現されます。『一念多念文意』に、信心を解釈して「『信心』は如来の御ちかひをききて疑ふこころのなきなり」(『註釈版聖典』六七八頁)といわれているように、本願の名号のいわれを、疑いをまじえずに聞きうけている状態をいいます。その信心は、第十八願に「至心信楽欲生我国(至心信楽して、わが国に生まれんと欲え)」と誓われていました。その至心、信楽、欲生という三心は、そのまま信楽一心であるような構造をもった信心(信楽)であると領解し、その内容を詳細に展開するのが「信文類」です。

 至心とは真実心であり、信楽とは本願を疑いなく受けいれる無疑心であり、欲生とは浄土を一定と期する決定要期の心をいいますが、第十八願に「わが真実なる誓願を疑いなく受けいれ、浄土に生まれようとおもいなさい」という三心は、仏に成ろうとも浄土へ往生しようとも願う心をももたない愚かな私たちにまことの目覚めを与えようとする如来の招喚の声でした。親鸞聖人は、本願の三心とは、何よりも如来の真実智慧の心(至心)と、浄土へ生まれてきなさいと招喚される大悲心(欲生)によって、衆生を救済することに少しも疑いをもたない決定摂取の心(信楽)が成就されていることを顕していると見られたのでした。その大悲の願心が「必ず救う」(南無阿弥陀仏)という言葉となって私たちに届けられているのが本願の名号ですから、私はただはからいをまじえずに仰せを受けいれる(信楽)ばかりです。このように私のうえにあるのは、如来の仰せを疑いなく受けいれて、往生一定と慶ぶ信心(信楽)一つですが、そこには如来の智慧(至心)と慈悲(欲生)の徳が摂まっています。
これを三心即一の信心(信楽)といいます。この信心は私のうえに開けていますが、私の心ではなく、その本体は如来の智慧と慈悲の仏心ですから、よく往生成仏の因種(たね)になるといわれています。「信文類」の信楽釈に、

 この心はすなはち如来の大悲心なるがゆゑに、かならず報土の正定の因となる。(『註釈版聖典』二三五頁)

といい、また『正像末和讃』には、

 不思議の仏智を信ずるを 報土の因としたまへり
 信心の正因うることは かたきがなかになほかたし(『註釈版聖典』六0八頁)


といわれています。これを親鸞聖人の信心正因説といいます。

 こうして本願の言葉を疑いをまじえずに受けいれ、信心が開け発ったとき、大悲の光明のなかに摂め取られ、往生成仏すべき身に定まります。信心がはじめて発ったとき(信の一念)に、煩悩具足の凡夫であるままで、仏陀になることに正しく決定している正定聚の位に入ると説かれたことを、信一念の現生正定聚説といい、親鸞聖人の教説の特色の一つとされています。


(p.20~p.22)



真実の信心、その体は凡夫の穢れた心ではなく、阿弥陀仏より回向された南無阿弥陀仏の名号です。念仏の他に信心はありませんし、念仏と信心を切り離すことはできません。大悲の願心は本願の名号となって私に届けられているのですから、只今ここにいる私が救われるのです。私が聞いて計らうのではなく、如来に計らわれていることをお聞きするのです。
これが、凡夫自力の迷心は逆さまなんです。自分がド真剣に聴聞したら、真心こめてお念仏したら、一生懸命善に励んだら・・・常に私を主語にし、私の励んだ行を取引材料にして阿弥陀仏の救いを期待します。
違うんです。阿弥陀仏のお救いをそのまま「聞」くのが「即」ち「信」なんです。真宗で聴聞とは、阿弥陀仏の「ただの救い」を聞く以外ありません。そして「ただの救い」に疑いを交えないのが信心です。それは自分で起こす信心ではなく、本願力回向の信心です。阿弥陀仏から頂く南無阿弥陀仏(仏心)です。

私に南無阿弥陀仏を頂くだけの取引材料はありません。穢悪汚染、虚仮諂偽にして真実清浄な心を持たぬ私が差し出せる善は、雑毒の善位のものです。金を差し出すのは人相手です。
私が如来に差し出せるものは何もありません。如来から一方的に回向されます。ただただ本願を仰ぎ、お念仏申しましょう。

南無阿弥陀仏
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淳心房&しゃあ

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(淳心房)
平成21年10月に親鸞会を退会し、「親鸞聖人の正しい教えを真偽検証する」ということで、専らコメンテーターとしてやってきました(^^)v
しかし、ようやく自分の中での真偽検証は終了したので、名前も改め、淳心房と名乗ります♪
ただし「真偽検証」は今まで馴れ親しんだ名前ですし、親鸞会教義が親鸞聖人の正しい教えなのかどうなのか、一人一人が真偽を検証して頂きたいと思い、ブログのタイトルとして残しました。
一人でも見て下さる方があれば幸いです☆


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平成21年8月に親鸞会を退会しました。淳心房さんと共同でブログを書いています。何かありましたらメール下さい~
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