正信偈の内容(8)ー信心の定まれる位

『親鸞の世界』(加茂仰順師)より引用

   一

 またその著である法事讃には、往生浄土の行を修する法事供養の規定が述べられてあります。(転経行道願往生法事讃、西方浄土法事讃、安楽行道転経願生浄土法事讃、の三つの名がある)
 また観念法門には、浄土門の観法の実修が述べられてあります。(観念阿弥陀仏相海三昧功徳法門、依経明五種増上縁義、観念阿弥陀仏相海三昧功徳法門経の三つの名がある)
 そしてまた往生礼讃には、日没、初夜、中夜、後夜、晨朝、日中の昼夜六時において、礼讃の行法を修する行儀が規定せられてあります。(くわしくは一切衆生願生西方極楽世界阿弥陀仏国六時礼讃偈と言う)
 或はまた船舟讃には、「観経」などによって、般舟三昧の行道往生讃が述べられてあります。これは七日とか九十日とかの期日をさだめて念仏勤行するときに用いるものです。(依観経等明般舟三昧行道往生讃、般舟三昧行道往生讃の名がある)
 次に源信和尚は往生要集を著わされていますが、これには往生浄土の要法は念仏の一つであることを経論の要文を集めて述べてあります。その中で、浄土には報土と化土の別があり、報土往生の因として専修の行を勧められてあります。
 次に法然上人には「選択集」がありますが、これには選択本願と申される弥陀の第十八願に誓わせられた念仏こそが、往生の業であることが述べられてあります。そしてこの書物によって法然上人は浄土宗の独立を宣せられたのです。
 以上が七高僧の論釈ですが、この正信偈においては、これらの内容を宗祖のお立場において、「正信」の有りもようをねんごろにさとされてあります。

   二

 蓮如上人の「聖人一流」の御文章には「入正定之聚とも釈し」と仰せられてありますから、ここのところを糸口にしていただいてゆくことにいたします。
 まず曇鸞大師の「論註」を讃仰いたされるところに、「正定之因唯信心云々」とあります。これは「論註」に「信仏因縁を以て、大乗正定聚に入ることを得る」とあるおことばによって示されたのです。真宗の「正定聚(しょうじょうじゅ)」とは、どのような位であるかというに、龍樹菩薩は「必定の菩薩」と言い、「大経」には「次如弥勒」と説いてあります。「観経」では、韋提希夫人が牢屋の中で、弥陀が西方仏国より飛び来り、王舎城の空中に住立(じゅうりゅう)されたことを拝んで、心に歓喜して、無生法忍(むしょうぼうにん)を得させられました。善導大師はこれを「与韋提等獲三忍」と釈され、龍樹菩薩は「証歓喜地生安楽」とさとらせられました。これは要するに信の一念に正定聚に入るのであり、只今死んでも往生にまちがいないことに定まったのですから、正定というのです。聚とは仲間入りをしたことです。
 私たちは見るかげのない身ですが、往生する人の仲間になったことです。これを第十一願に、この世では正定聚に住し、未来は滅度の大涅槃をさとらしめねば、正覚は取らないと誓わせられたのです。それゆえに死んで往生すると、直ちに大涅槃です。往生までは正定聚にちがいはありません。この位にのぼれば、あともどりをしない身となったのですから、必定の菩薩、不退の菩薩の仲間入りをしたというてよいのです。さてまたその身になり得た上には、いつも歓喜の思いは胸に余り、信心は絶えません。しかしいろいろと煩悩は起こりましても、またこの世の心配はやみませんが、胸はさっぱりとして、その下からはお念仏が浮かびます。よって喜悟信の三忍を歓喜地と仰せられますが、この歓喜のあらわれる身ですから、未来の大事に心配ぬけて、うれしやうれしやで日夜をあかし暮らす大安慰の人柄となり、次の世界では、大覚位に上るのですから、弥勒にも劣らない身ともいわれ、次如弥勒とも仰せられるのです。
 このように正定聚の位にのぼること、つまり往生の正因は唯信心であると仰せられるのです。しかもこの正定聚となる人はどのような人かといえば、下品下生の人であります。そしてこの者は在心在縁在決定で、猶如日輪の金蓮に乗りこむことができます。論註に「信仏因縁を以て、大乗正定聚に入ることを得る」とあるとさきほど申しましたが、これは外より手を引き腰を推し、前後左右につきそい守られ、胸の中へはおまことをもらいうけて、うれしやうれしやと内から湧いて出るのです。このように、内からは信心、外からはお守りくだされ、時々刻々に浄土に近寄るのです。
 これを因縁成就の身と申します。そしてこれを正信偈には「惑染の凡夫も信心が発れば、生死即涅槃なりと証知す」と仰せられてあるのです。

(P.229~P.232)
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平成21年10月に親鸞会を退会し、「親鸞聖人の正しい教えを真偽検証する」ということで、専らコメンテーターとしてやってきました(^^)v
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ただし「真偽検証」は今まで馴れ親しんだ名前ですし、親鸞会教義が親鸞聖人の正しい教えなのかどうなのか、一人一人が真偽を検証して頂きたいと思い、ブログのタイトルとして残しました。
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