正信偈の内容(15)ー伝承の信

『親鸞の世界』(加茂仰順師)より引用

   一

 法然上人の念仏は、法然上人の涅槃の城(みやこ)には信をもって能入とすると、三心具足の信心より称えもう念仏です。その法然上人の信心は、黒谷の経蔵に入られて、往生要集をご覧になり、この往生要集をご指南として、善導大師の五部九巻の疏を拝まれ、前後五遍までもご覧なさいました。そのところにいよいよわれわれが生死を離れる道は、一心専念弥陀名号と、念仏するよりほかにはないと、善導大師のお念仏が、法然上人の信心決定の場となりました。
 しかもその善導大師の一心専念弥陀名号の念仏を、どのように信受なされたかといえば、言南無者、即是帰命、亦是発願廻向之義、言阿弥陀仏者、即是其行、以斯義故、必得往生であります。またわが宗祖は、法然上人の念仏をどのように信受せられたかといえば、言南無者、即是帰命、亦是発願、廻向之義、言阿弥陀仏者、即是其行、以斯義故、必得往生と信受させられたのです。その証拠が選択集の二行章には五番の相対の中に廻向不廻向対(えこうふえこうたい)を挙げて、雑行(ぞうぎょう)は廻向の行であり、念仏は行者の方よりは不廻向の行であるとなされ、その下へ善導大師の言南無者の御文をご引用になってあります。そしてわが宗祖へ来てみれば、行巻には善導の言南無者の御文を引いて、ひろびろと帰命のご字訓を挙げさせられ、下に至って「明らかに知りぬ。これ凡聖自力の行にあらず。かるが故に不廻向の行となづくるなり」と結び止めて置かせられます。これが善導、法然、わが宗祖の安心相承のすがたであります。

   二

 しかるに宗祖にあっては、六字は呼び声であるとあらわされました。すなわち南無という二字の呼び声は、たのむものの一つもない私ゆえに、われをたのめよ、この弥陀がたのまれてやろう、雑行雑修をすてて、煩悩悪業は仏にまかせたのめよとあるが南無という二字のお声です。阿弥陀仏という四字の心は、そういうたのみ心へ、仏になる無上大利の功徳を与え、その時より光明の内に摂めとり、浄土へ生まれさせようとあるが、阿弥陀仏の四字のお助けのこころであります。こういういわれの南無阿弥陀仏です。こういう親心です。この親心のままを聞き得させていただくところに、親さまなればこそと、弥陀一仏をたのむ身とならせてもらいます。如来のお助けを向こうにながめておまかせするのではありません。こちらからお助けをたのむのではありません。罪はいかほど深くとも、雑行雑修自力の心をふりすてて、われを一心にたのめよの仰せが南無の二字、そのたのむ衆生に無上大利の功徳をあたえて光明摂取して、浄土へ迎えとり給うが阿弥陀仏の四字のいわれです。このおいわれどおりにならせてもらうのです。
 「たのめ」の仰せに信順できたのがたのむ心です。しかしそのたのむ心は、私の中から出たたのみ心ではありません。教えのおあたえです。しかしそれかといって、如来は私に代わってたのんでくだされるのではありません。たのめの仰せがあればこそ、たのむ心が発起したのです。そのとき光明に摂取してくださるのです。たのんだから助かるのではありません。せねばいけないのでもありません。そのようにせしめられるのです。弥陀たのむ心は代理はできません。くれぐれも申します。お助けをたのむのではありません。また助けるからたのめでもありません。如来は地獄よりほかにゆきばのないこの私を、助けとげねばおられないゆえ、たのめの仰せ一つとなって、この私に来てくだされたのです。そのたのめの仰せに信順したのが弥陀をたのんだのです。
 そのところには眼をふさいで思案して相続するのではありません。たのめの仰せがあればこそ、称えて来いの仰せは、その上の報謝行です。称名は信心のあらわれたすがたです。つづめていえば、阿弥陀仏のお助けは、仏体すぐづけのお助けではありません。六字名号の教えどおりに、親さまなればこそと、たのむ身にさせられるのです。それが如来のお救いです。たのむ一念のとき、わが往生は、仏のかたよりお定めですから、心丈夫に念仏相続させてもらえるのです。

(p.250~p.252)
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淳心房&しゃあ

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(淳心房)
平成21年10月に親鸞会を退会し、「親鸞聖人の正しい教えを真偽検証する」ということで、専らコメンテーターとしてやってきました(^^)v
しかし、ようやく自分の中での真偽検証は終了したので、名前も改め、淳心房と名乗ります♪
ただし「真偽検証」は今まで馴れ親しんだ名前ですし、親鸞会教義が親鸞聖人の正しい教えなのかどうなのか、一人一人が真偽を検証して頂きたいと思い、ブログのタイトルとして残しました。
一人でも見て下さる方があれば幸いです☆


(しゃあ)
平成21年8月に親鸞会を退会しました。淳心房さんと共同でブログを書いています。何かありましたらメール下さい~
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