正信偈の内容(17)ー法を聞くとは、わかったということではなく本願の中にこの私が見いだされたのである(中)

『親鸞の世界』(加茂仰順師)より引用

   二

 理窟を聞いて、たしかなものがほしいのは聞き不足です。聞いてまちがいなくなって助かるのではありません。私の心がしっかりなって助かるのではありません。如来のしっかりがとどいてくださるのです。まちがいのないお救いがあらわれてくださるのです。
 そむきづめの私、計らい心のかたまりの私は、聞くほかはありません。聞くほどに計らいがとられるのです。
 聞くとは、とりこむことではありません。聞いてまちがいなくなるのではありません。如来のおまちがいの中に置かれているのが私です。本願の中にこの私が見いだされるのです。本願の中に私がうつしとられるのです。
 思うとか、思わないとかを超えて、救いのはたらきは先に来ていますから、私のいるところが聞く場所です。私以外のところではたらいてはいないのです。私が聞かねば聞く者はおりません。私が私を解決してからではありません。どうしたら助かるかではありません。それは私の仕事ではないのです。本願の仕事です。私が問題にする以前に、如来の上に問題にされているのです。如来の本願は、私の知る以前に、私の生活を動かすものです。聞きたいと思う心も、また、仏前に参る心も、私からは出ません。それは私の思いを超えて、私を動かすものです。私の心からは出ませんが、私に出る心です。これが如来のはたらきです。
 「去年までしかりし瓜のたむけかな」これは加賀の千代女の子供を失っての述懐ですが、言うている下には言わしめているものがあるというものです。そこに心の通う世界があります。見抜く如来が、見抜かれた私の中心となるのです。聞くことによってわかるのではなく、真実が私の中心となったものです。まちがいの私を、真実の中に見いだしてくださるのです。私の底を見ぬいてくださる。私のわかっているものというものは役に立ちません。泣いて帰る子供は「母ちゃん」と言うほかはありません。如来が私を悲しみたもう場において念仏せしめられるのです。
 私は「汝」とよびかけられています。「汝」として喚ばれたとき、業苦随順の道が開かれるのです。
 救われたから念仏するのではありません。救われたすがたが念仏です。如来の願いがいま掌に動いています。口の上にいま動いています。
 はねつけ、そむいている心がとれて、すなおに聞く身にさせられるのです。さとりの世界へゆくことを知らない私を、救いにかかりはててくださる親心のいただけたほかはありません。だから法を聞いてわかったということではなく、本願の中にこの私がうつしとられてしまうことなのです。ここに法然上人の疑いをいましめ、信を勧めたもう思召のほどがうかがえるのです。

(つづく)
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コメントありがとうございます

原文を見てみましたが、私のタイプミスではないようです。
本来は仰るように「如来のおまちがいない中」とか、「如来のおまことの中」と表現されるように私も思います。ただ、その一文前が「聞いてまちがいなくなるのではありません。」とあって、それを承けて言われているのだろうと考えられます。
思いをめぐらしてみるに、凡夫の考えは如来からご覧になれば「まちがい」です。「これは正しい」とか「これはまちがい」という凡夫の判断・考え自体が間違いでしょう。凡夫が考えている本願は「まちがい」ですが、そのおまちがいの中に私が置かれているということです。

分かりにくい文章ですみません。あるいは加茂師が生きておられ、質問したら、「タイプミスです」と答えられるかも知れませんが…
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淳心房&しゃあ

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(淳心房)
平成21年10月に親鸞会を退会し、「親鸞聖人の正しい教えを真偽検証する」ということで、専らコメンテーターとしてやってきました(^^)v
しかし、ようやく自分の中での真偽検証は終了したので、名前も改め、淳心房と名乗ります♪
ただし「真偽検証」は今まで馴れ親しんだ名前ですし、親鸞会教義が親鸞聖人の正しい教えなのかどうなのか、一人一人が真偽を検証して頂きたいと思い、ブログのタイトルとして残しました。
一人でも見て下さる方があれば幸いです☆


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平成21年8月に親鸞会を退会しました。淳心房さんと共同でブログを書いています。何かありましたらメール下さい~
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