乃至十念の誓いー乃至十念の意味、信相続の行、十念の誓意

『真宗の教義と安心』(本願寺出版社)より引用

第四章 称名のこころ
 第一節 乃至十念の誓い

 第十八願文には、一生涯の相続行をおさめて「乃至十念」と誓われてある。前章までに述べたように、衆生の往生成仏の正しき因は信心であり、これは第十八願に至心・信楽・欲生の三心として誓われてある。では、何故に信心を誓われたその上になお「乃至十念」と誓われたのであろうか。
 まず「十念」の「念」という字はもともと「心におもう」という意味であるが、善導大師や法然上人はこれを称名と明示され、親鸞聖人もこれを承けておられる。「十」とは数字であるから、十念とは、十声の称名念仏という意味になる。しかし、十念には乃至の語が付けられてあり、必ず十声に限るということではない。善導大師は「上尽一形下至十声一声等(上一形を尽し、下十声・一声等に至るまで)」(『往生礼讃』「行文類」引用、一六五)と述べて、一生涯の称名から一声の称名までと解釈され、また更に親鸞聖人は「聞名のもの」まで含めて示される。すなわち、乃至十念というのは、称名の多い少ないを問わないということであり、さらに言えば称名の有る無しも問わないということである。これは称名念仏によって往生成仏が決定するのではないということを意味している。もし称名念仏によって往生成仏が決定するのであれば、数の多少を問わないということはなく、まして有る無しを問わないということはありえない。前章では、信心とは衆生を往生成仏せしめる力である名号が衆生の心に至り届いたすがたであることを明らかにしたが、信相続の称名念仏もまた名号が衆生の口に出てきたすがたである。したがって信心も称名も名号のはたらいているすがたという点では同じである。しかし、まさしく衆生の往生成仏が決定するのは、信一念の時である。この意味では称名念仏は往生成仏の正因ではなく、信相続の行ということになる。
 さて、聖人は「行文類」に、

 真実信心必具名号。
 真実の信心はかならず名号を具す。(二四五)


と、信心の本質である名号は必ず称名念仏となって衆生の口の上に活動することを示されている。すなわち称名は信心の相続しているすがたである。
 聖人はまた、「乃至十念」について、『一念多念証文』に、

 本願の文に、「乃至十念」と誓ひたまへり。すでに十念と誓ひたまへるにてしるべし、一念にかぎらずといふことを。いはんや乃至と誓ひたまへり、称名の遍数さだまらずといふことを。この誓願はすなはち易往易行のみちをあらはし、大慈大悲のきはまりなきことをしめしたまふなり。(六八六)

と釈され、信心の一生涯の相続をあらわす称名念仏とは、衆生にとって困難なものではなく、きわめて行じやすく往きやすい行法であることを示されている。
 このように、信心の相続行を称名と定め、その称名念仏が衆生にとって時処諸縁をえらばず、修しやすい行法であることが、乃至十念と誓われた仏意である。

(四七~五〇)


・聞名のもの
『尊号真像銘文』に、「下至といふは十声にあまれるものも聞名のものを往生にもらさずきらはぬことをあらはししめすとなり」(六五七)とある。
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法然上人はなぜ念仏だけを勧められたのか。

法然上人は念仏(称名念仏)のみを勧められたと伝えられる。
何故であろうか、
それは如来の働きは私たちが念仏するところにのみ存在するからである。
如来、阿弥陀如来の御誓いのままが称名念仏である。
それを「乃至十念」と誓われたのである。
あってもよし、なくてもよし。

親鸞会は名号をまるまま戴いて、念仏は無いようです。
如来様の働きはどこへ行ってしまったのか。

>おか様

親鸞会では、名号をただ本尊として安置し、貸与されたものを携帯しているだけでしょう。名号より高森会長や上司が大事なのです。
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淳心房&しゃあ

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(淳心房)
平成21年10月に親鸞会を退会し、「親鸞聖人の正しい教えを真偽検証する」ということで、専らコメンテーターとしてやってきました(^^)v
しかし、ようやく自分の中での真偽検証は終了したので、名前も改め、淳心房と名乗ります♪
ただし「真偽検証」は今まで馴れ親しんだ名前ですし、親鸞会教義が親鸞聖人の正しい教えなのかどうなのか、一人一人が真偽を検証して頂きたいと思い、ブログのタイトルとして残しました。
一人でも見て下さる方があれば幸いです☆


(しゃあ)
平成21年8月に親鸞会を退会しました。淳心房さんと共同でブログを書いています。何かありましたらメール下さい~
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