念仏為本についてー正定聚、五正行と正助二業、名号・信心・称名

『真宗の教義と安心』(本願寺出版社)より引用

第四章 称名のこころ
 第二節 念仏為本について

 第二章において、名号とは衆生を往生成仏せしめる力すなわち正定業であることを述べた。すなわち「正信偈」には「本願の名号は正定の業なり」(二〇三)とある。ところで、善導大師はあらゆる行業を阿弥陀仏に関する行すなわち正行と、阿弥陀仏に関しない行すなわち雑行にわけられている。その正行とは、阿弥陀仏に関する経典(浄土三部経)の読誦、阿弥陀仏およびその浄土の観察、阿弥陀仏に対する礼拝、阿弥陀仏の名号を称する称名、阿弥陀仏に対する讃嘆供養の五つであり、これを五正行という。大師は、この五正行のなか、第四の称名を正定業とし、他の四つ(前三後一)を助業とされている(「化身土文類」引用、三八六)。また、法然上人は、聖道門をさしおいて浄土門を選び、雑行をなげうって正行を選び、助業をかたわらにして正定業を選べと示されている(これを三選の文という。「行文類」引用、一八五)。このように善導大師・法然上人は称名を正定業とされ、また法然上人の『選択集』の冒頭には、

 南無阿弥陀仏 往生之業念仏為本。
 南無阿弥陀仏 往生の業は念仏を本とす。(「行文類」一八五引用)


の文を掲げられている。親鸞聖人も善導大師・法然上人を承けられ、『尊号真像銘文』に、

 「正定之業者即称仏名」(「行文類」一八六引用)といふは、正定の業因はすなはちこれ仏名をとなふるなり。(六六六)

と述べられている。業因とは前章に述べた通り往生成仏という結果を決定する力・はたらきという意味であるが、称名が正定業ということになると、称名念仏することによって往生成仏が決定するという意味にもとれる。しかし、衆生の往生成仏が決定するのは信一念においてであり、信心こそが正因であることは何度も繰り返し述べたところである。ここで称名が正定業といわれるのは、称名念仏とは名号の活動しているすがたであることを意味している。決して、称えるという衆生の動作によって往生成仏が決定することを意味しているのではない。衆生の往生成仏を決定する力・はたらきは名号であり、その名号が衆生に至り届いたところを信心といい、衆生の口のうえに声となって出たところを称名というのである。念仏為本というのも同じ意味である。その意味では名号・信心・称名の三は別々のものではなく実は同じものがすがたを変えたものであるということができる。真宗の教義を学ぶとき、名号・信心・称名の三が、その本質は同一のものであるという立場に立って論ぜられる場合と、名号が仏の名字、信心が衆生の心相、称名が衆生口業の行為といったそれぞれの違いを踏まえて論ぜられる場合とがあることに注意しなければならない。今、称名が正定業であるというのは、前者の立場に立って論ぜられているのである。この立場に立った場合には、

 弘誓を信ずるを報土の業因と定まるを正定の業となづくといふ。(『一念多念証文』六八八)

と述べられているように、信心が正定業であるということもできる。また、『大経』に、

 其有得聞彼仏名号、歓喜踊躍乃至一念、当知此人為得大利。則是具足無上功徳。
 それかの仏の名号を聞くことを得て、歓喜踊躍して乃至一念せんことあらん。まさに知るべし、この人は大利を得とす。すなはちこれ無上の功徳を具足するなりと。(八一)

 (もし、かの仏の名号のいわれを聞いて信じ喜び、わずか一声すれば、この人は大利を得て無上の功徳を身にそなえるのである)

と、一声の称名念仏に無上の功徳がそなわると称名で得益を説かれるのも、同じ立場である。

(五〇~五四頁)
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(淳心房)
平成21年10月に親鸞会を退会し、「親鸞聖人の正しい教えを真偽検証する」ということで、専らコメンテーターとしてやってきました(^^)v
しかし、ようやく自分の中での真偽検証は終了したので、名前も改め、淳心房と名乗ります♪
ただし「真偽検証」は今まで馴れ親しんだ名前ですし、親鸞会教義が親鸞聖人の正しい教えなのかどうなのか、一人一人が真偽を検証して頂きたいと思い、ブログのタイトルとして残しました。
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平成21年8月に親鸞会を退会しました。淳心房さんと共同でブログを書いています。何かありましたらメール下さい~
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