蓮如上人と三願転入にどのような関係が??(5)

今回も、『御文章』を通して他力の信心のおもむきと、親鸞会でいう三願転入の教えなど存在しないことを見ていきたいと思います。

 それ、当流親鸞聖人のすすめましますところの一義のこころといふは、まづ他力の信心をもつて肝要とせられたり。この他力の信心といふことをくはしくしらずは、今度の一大事の往生極楽はまことにもつてかなふべからずと、経・釈ともにあきらかにみえたり。さればその他力の信心のすがたを存知して、真実報土の往生をとげんとおもふについても、いかやうにこころをももち、またいかやうに機をももちて、かの極楽の往生をばとぐべきやらん。そのむねをくはしくしりはんべらず。ねんごろにをしへたまふべし。それを聴聞していよいよ堅固の信心をとらんとおもふなり。

 答へていはく、そもそも、当流の他力信心のおもむきと申すは、あながちにわが身の罪のふかきにもこころをかけず、ただ阿弥陀如来を一心一向にたのみたてまつりて、かかる十悪・五逆の罪人も、五障・三従の女人までも、みなたすけたまへる不思議の誓願力ぞとふかく信じて、さらに一念も本願を疑ふこころなければ、かたじけなくもその心を如来のよくしろしめして、すでに行者のわろきこころを如来のよき御こころとおなじものになしたまふなり。このいはれをもつて仏心と凡心と一体になるといへるはこのこころなり。

これによりて弥陀如来の遍照の光明のなかに摂め取られまゐらせて、一期のあひだはこの光明のうちにすむ身なりとおもふべし。さていのちも尽きぬれば、すみやかに真実の報土へおくりたまふなり。しかればこのありがたさたふとさの弥陀大悲の御恩をば、いかがして報ずべきぞなれば、昼夜朝暮にはただ称名念仏ばかりをとなへて、かの弥陀如来の御恩を報じたてまつるべきものなり。このこころすなはち、当流にたつるところの、一念発起平生業成といへる義これなりとこころうべし。

さればかやうに弥陀を一心にたのみたてまつるも、なにの功労もいらず。また信心をとるといふもやすければ、仏に成り極楽に往生することもなほやすし。あら、たふとの弥陀の本願や。あら、たふとの他力の信心や。さらに往生においてその疑なし。しかるにこのうへにおいて、なほ身のふるまひについてこのむねをよくこころうべきみちあり。それ一切の神も仏と申すも、いまこのうるところの他力の信心ひとつをとらしめんがための方便に、もろもろの神・もろもろのほとけとあらはれたまふいはれなればなり。しかれば一切の仏・菩薩も、もとより弥陀如来の分身なれば、みなことごとく、一念南無阿弥陀仏と帰命したてまつるうちにみなこもれるがゆゑに、おろかにおもふべからざるものなり。

またこのほかになほこころうべきむねあり。それ国にあらば守護方、ところにあらば地頭方において、われは仏法をあがめ信心をえたる身なりといひて、疎略の儀ゆめゆめあるべからず。いよいよ公事をもつぱらにすべきものなり。かくのごとくこころえたる人をさして、信心発得して後生をねがふ念仏行者のふるまひの本とぞいふべし。これすなはち仏法・王法をむねとまもれる人となづくべきものなり。(御文章2帖目10通)


この御文章には、当流親鸞聖人のすすめましますところの一義である他力の信心ということと、念仏行者のふるまいの本とが書かれています。まず、親鸞聖人の一義である他力の信心ということについて、蓮如上人はどう教えられているか、見ていきます。
他力の信心ということを詳しく知らなければ今度の一大事の往生極楽は望めないことは、経・釈ともに明らかです。「ならばその他力の信心ということをよく知って、真実報土の往生を遂げようと思うのですが、くわしくお聞かせ下さい」という人に蓮如上人はお答えになっています。

答へていはく、そもそも、当流の他力信心のおもむきと申すは、あながちにわが身の罪のふかきにもこころをかけず、ただ阿弥陀如来を一心一向にたのみたてまつりて、かかる十悪・五逆の罪人も、五障・三従の女人までも、みなたすけたまへる不思議の誓願力ぞとふかく信じて、さらに一念も本願を疑ふこころなければ、かたじけなくもその心を如来のよくしろしめして、すでに行者のわろきこころを如来のよき御こころとおなじものになしたまふなり。このいはれをもつて仏心と凡心と一体になるといへるはこのこころなり。これによりて弥陀如来の遍照の光明のなかに摂め取られまゐらせて、一期のあひだはこの光明のうちにすむ身なりとおもふべし。さていのちも尽きぬれば、すみやかに真実の報土へおくりたまふなり。しかればこのありがたさたふとさの弥陀大悲の御恩をば、いかがして報ずべきぞなれば、昼夜朝暮にはただ称名念仏ばかりをとなへて、かの弥陀如来の御恩を報じたてまつるべきものなり。このこころすなはち、当流にたつるところの、一念発起平生業成といへる義これなりとこころうべし。

「あながちにわが身の罪のふかきにもこころをかけず」ですから、心を我が身や我が身の罪悪にかけるのではありません。「まず後生の一大事(親鸞会では無間地獄に堕ちるという一大事の意)を知らねばならない」と罪悪についてを詳しく話し、機を責め立てるような説き方はしておられません。そんなことをしても心は地獄に向き、地獄に畏れおののくだけで救いはないからです。
では何に心をかけるのかというと、「ただ阿弥陀如来を一心一向にたのみたてまつりて」とあるように阿弥陀仏、南無阿弥陀仏です。そして、「かかる十悪・五逆の罪人も、五障・三従の女人までも、みなたすけたまへる不思議の誓願力ぞ」と聞くのです。「お前を助けるぞ」と聞くのが信です。
そのように本願のおこころを頂き、一念も疑心ない人は、阿弥陀仏の光明に摂取され、仏凡一体の身になり、この世の命が尽きたら速やかに真実報土の往生を遂げるのです。このようにして下さる阿弥陀仏の御恩徳の有難さ、尊さをどのように報いるのかといえば、ただ称名念仏しなさいと教えられています。
これが当流の他力の信心のおもむき、一念発起平生業成の義です。どこにも三願転入せよとか、善をせよとは書かれていませんし、そのような意味のお言葉も見当たりません。全くもって捏造教義だということが分かります。

さればかやうに弥陀を一心にたのみたてまつるも、なにの功労もいらず。また信心をとるといふもやすければ、仏に成り極楽に往生することもなほやすし。あら、たふとの弥陀の本願や。あら、たふとの他力の信心や。さらに往生においてその疑なし。

とあるように、阿弥陀仏の救いに衆生の側からは何の功労もいらず、ひとえに本願力によりますから、信心獲得、往生成仏というのは易いことなのです。この本願の独用(ひとりばたらき)を受け入れられず、自力でとらえようとしているから難しいのです。阿弥陀仏は何も難しいことを要求しているのではありません。「我が名を称えよ」と仰っているだけです。我が名とは南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏とは「お前を助けるぞ」の勅命です。「善知識の話を一言一句間違えずに聞き覚える」「善知識の指示に無条件に従う」「家族、友人を誘ってくる」「精一杯の財施をする」など、往生には一切不要なことです。ただ「お前を助けるぞ」と聞き受けるのみです。

ここまでが他力の信心のおもむきであり、これより後の文章は念仏行者のふるまいについて、つまりこの世の生き方についてです。簡単に言えば一切の神、仏をおろそかにしてはならないということと、公事を怠りなくやりなさいということです。

ちなみに、一切の神、仏をおろそかにしてはならないというところで「方便」と仰っている箇所があります。

それ一切の神も仏と申すも、いまこのうるところの他力の信心ひとつをとらしめんがための方便に、もろもろの神・もろもろのほとけとあらはれたまふいはれなればなり。

がそれです。もし方便が「真実に入れるために絶対必要なもの」なら、まず神や仏を信じるという道程を経なければならないはずでしょう。何にせよ、「他力の信心ひとつをとらしめんがための方便」なんですから。また、聖道門も方便の教えですが、方便なのですからこれもやらねばならないはずです。ところがそうはせず、19願の善ばかりをやたらとこだわって勧めています。親鸞会が19願を根拠に善を勧めるのは、単に献金と人集めに都合がよいからであると、会員の皆さんは知るべきです。
親鸞聖人の勧めは第18願の教法のみです。この世の生き方については悪を慎み善に向かう姿勢は大事ですが、往生・獲信に関しては我々の善悪の行為は無関係です。親鸞聖人の教えに19願の勧めはなく、18願のこころ、「お前を助けるぞ」をそのまま頂くばかりであうことを重ねて申し上げ、今回はこれで終わりたいと思います。
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淳心房&しゃあ

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(淳心房)
平成21年10月に親鸞会を退会し、「親鸞聖人の正しい教えを真偽検証する」ということで、専らコメンテーターとしてやってきました(^^)v
しかし、ようやく自分の中での真偽検証は終了したので、名前も改め、淳心房と名乗ります♪
ただし「真偽検証」は今まで馴れ親しんだ名前ですし、親鸞会教義が親鸞聖人の正しい教えなのかどうなのか、一人一人が真偽を検証して頂きたいと思い、ブログのタイトルとして残しました。
一人でも見て下さる方があれば幸いです☆


(しゃあ)
平成21年8月に親鸞会を退会しました。淳心房さんと共同でブログを書いています。何かありましたらメール下さい~
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