「安心してこの御名を受けてくれよ」「この名一つが、正定業である」と呼ばわせ給う本願の思召

『浄土真宗 信心』(加茂仰順師)より引用

  一 信心とは、どういうことか

 <浄土に生るべき因の御名を、このままの私に与えて下さる。>

  二

 御開山様は、念仏の身となられました。念仏往生の本願を宣べさせ給いました。
 聴聞こそは信の道であります。
 すなおに、満足に、本願の教えを聞くことによってのみ、如来のお心が受けられます。
 私たちは、自分の認める真実を捨てて、受けねばなりません。
 道はわが業報の道より外はないと、なさけないことを言うべきではありません。この苦悩の中になにものにもおかされない本願の一道のあたえられることを忘れてはなりません。
 その本願は私の心の中に動いてくる願心であると、こぢつけてはなりません。
 私が何を味わおうと、何を思おうと、私はどうにもなりません。
 ただ、わが名を受けよとの本願のお心が聞こえて下されるほかはなにものもありません。「わが名を受けよ」とのお心を、私はとりちがえておりました。
 受けよと仰せられるから、受けることが大切である。受けねばならない。受ければよいのだ。受ける一つが救われる道であると思っていました。
 これは信を主とすべきを行を主としていたのです。お受けするばかりで助けると仰せられるお手元を仰がねばなりません。
 しかしまた、お手元というところに力を入れて、何となくお受けする外にお慈悲があるように思うておりました。
 そして信とは、単にお慈悲を喜ぶのであって、念仏は信にはかかわりなく、ただ後念のお礼とのみ片づけて、或は修養の一つの方法と思い、或は信を頂くについての単なる手だてであると思っていました。信心、念仏の外に、お慈悲があるのではありません。
 いま、本願の仰せをいただいてみれば、そのおことばがちがうのではなく、その思召がまったく変ってまいりました。
 如来みずから、衆生よと私を呼びあげて、このわが名、名号を受けよと仰せられるのは、まったく闇の底にもだえねばならない私に、その御名を差しつけて下さるのでありました。私は罪をおそれ、死をおそれ、飢えた胸をかかえて、久遠の闇に突き当ってどうすることもできません。出来ないが捨てておけません。
 ここをあわれんでいて下さると言うても、わが苦は除かれません。ただ呼んでいて下さるというても、わがなやみは去りません。
 それゆえに、如来はそのおまことを私に加えられまして、私を弥陀と同じさとりにあがらせたいと思召されて、そのおまことをしぼりあげて、私に受けやすいように、その御名を成就され、私のいのちとして私にぢきぢきに差し寄せて、どうぞ、あれやこれと心配をやめて、心おきなく、このわが名を受けてくれよ。そなたの、あさましさ、愚かさ、かよわさを見抜いて、これをそなたに与えるから、安心してこの御名を受けてくれよ。この名一つが、正定業であると、呼ばわせ給うのが本願の思召でありました。ひとえに「わが名」を受けよとの思召であります。「受けよ」とは「あたえるぞよ」とのおこころであります。つまり、「わが名を受けよ」とは、わが名をそなたに与えるぞとのおこころでありました。
 三信十念の御心。「この御名を」受けよとの仰せそのままが、御廻向の思召であります。この御廻向というは、いろいろのものを与え給うのではなく、唯一つであります。つまり永劫の幸せのたねとなって下さる如来の御名一つを下されることであります。
 このやるせない親心を、三信十念に示させられて、このこわい病気をかかえながら、しかも薬をきらってにげる愚かな子を追いかけて、一つぶでもよいから飲んでくれと、差しつけて、呼びさけぶように、これを受けてくれと、十劫以来絶え間なく呼びかけて下されてある思召を聞いて、どうしてこれを受けずにおられましょうか。
 私は胸がはっきりせぬとか、わが心がしっかりせぬとか言うてはおられません。受けねばならぬとか、受けさえすればよいとか言うてはおられません。
 わが心が、わが胸がと、言うているのは、まだ本願を聞いてないのです。
 受けねばならない、受ければよいというのは、自分が裁き手となって、よい、悪いをさばいているのです。
 とにかく、受ける受けないにかかわらず、このままでよいのだというのは、まったく本願を踏みにじっているのです。驕慢の絶頂です。
 この罪にまみれ、飢えに悩んで、永劫の闇にすべりこまねばならぬ私を目がけて、その御名一つを差しつけて、たのむように、受けてくれよと、御廻向下されることに眼がさめたとき、いまはただただ仰せのままに頂くのであります。

(p.5~p.10)



 私も、念仏は後念のお礼とのみ片づけていました。また、とにかく信心が大事であり、念仏は信心とは関係ないように思っておりました。
 信心が大事なのはその通りですが、要は何を信じるかです。そこが分からなければ信心が大事、信心が大事と言っていても片手落ちというものです。今はその信心ということについて、蓮如上人に伺ってみます。

 信心獲得すといふは第十八の願をこころうるなり。この願をこころうるといふは、南無阿弥陀仏のすがたをこころうるなり。このゆゑに、南無と帰命する一念の処に発願回向のこころあるべし。これすなはち弥陀如来の凡夫に回向しましますこころなり。(御文章五帖目五通)

 信心獲得するとは、三信十念の御心である第十八の願を心得ることであり、それはすなわち「わが名を受けよ」「たすけるぞよ」という南無阿弥陀仏のすがたを心得ることです。そのことを加茂師は詳しく、分かりやすく教えられています。この私一人を目がけて、永劫の昔から呼びかけて下さっていたのです。私は、その力強い仰せ(南無阿弥陀仏)を、仰せのままに聞くばかりです。それが信心です。信心とは、念仏の信心なのです。念仏を計らいなく聞き受けたのが信心です。南無阿弥陀仏が信心の体であると言われるのはそのためです。
 聴聞こそが信の道です。すなおに、満足に、本願の教えを聞くことによってのみ、如来のお心が受けられます。
 なお、信の道といいましても、「よーいドン」とスタートして、段々と救いへと進んでいって、そしてゴールというものではありません。聴聞や何かの積み重ねをしていくことによって、やがて信が獲られるというものではありません。このように考えている人も、やはり信を主とすべきを行を主としていると言えるでしょう。
 真宗は本願力回向、他力回向の教えですから、私がどこかへ向かって進んでいく教えとは違います。それは自力回向の教えです。私は、既に成就され、近く近く差しつけられている如来の御名を今ここでお受けするばかり。だから今救われるのであり、ここで救われるのであり、このままの私が救われるのです。南無阿弥陀仏の御名を帰命尽十方無礙光如来ともお呼びするのはそのためです。あとはかたじけなやとお念仏を申して、御国の旅路を歩む念仏者として生きてゆくのです。そのような御同行・御同朋が一人でも多く現れて頂けたら・・・、そう思っています。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。
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阿弥陀さまが私を呼んで、南無阿弥陀仏と称えるご法義なのに、私がお念仏して阿弥陀さまを呼んで、阿弥陀さまが応えて助かる信と聞き損なっている人のいかに多いことか……

そのままのお助けで本当によかったです。

南無阿弥陀仏
南無阿弥陀仏

>秘密コメント様

コメントありがとうございます。

念仏とは勿論口称念仏の意ですが、「私の称える行為」ではなく、「私の口を通して発せられる南無阿弥陀仏」のことを言っています。つまり救いの法そのものを指して念仏と言っているのです。前者の意なら疑問ももっともでしょうが、後者ならば、色々の腑に落ちないことも解消するのではないでしょうか?
ただ口に南無阿弥陀仏と称える人は沢山ありましょうが、それでは極楽に往生しないと蓮如上人は教えられていますし、貴方もお分かりでいらっしゃると思います。往生之因は唯信心であり、当ブログでは念仏に称功を認めてはおりません。
では信心とは一体何を信じるのか、それを私は長いことぼかされ続け、関係のないことを聞かされ続けてきました。また、念仏は信後報謝に限るなどと聞かされ、念仏に「ありがとう」の他、一体何の意味があるのかと疑問でしたので、記事のようなことを書いております。

仰る内容は、共感するところが多いです。腑に落ちない点はまた教えて頂けたらと思います。

>純朗房義信様

私も長いこと考え方が逆さまでしたが、ただ「助けるぞよ」との仰せでした。私がどうかなってからの救いでは、とても漏れていたでしょうね。本当、よかったです。

南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。
プロフィール

淳心房&しゃあ

Author:淳心房&しゃあ
(淳心房)
平成21年10月に親鸞会を退会し、「親鸞聖人の正しい教えを真偽検証する」ということで、専らコメンテーターとしてやってきました(^^)v
しかし、ようやく自分の中での真偽検証は終了したので、名前も改め、淳心房と名乗ります♪
ただし「真偽検証」は今まで馴れ親しんだ名前ですし、親鸞会教義が親鸞聖人の正しい教えなのかどうなのか、一人一人が真偽を検証して頂きたいと思い、ブログのタイトルとして残しました。
一人でも見て下さる方があれば幸いです☆


(しゃあ)
平成21年8月に親鸞会を退会しました。淳心房さんと共同でブログを書いています。何かありましたらメール下さい~
singikensho@yahoo.co.jp
(スパム防止のため@を大文字にしてあります。メール送信時は小文字に変えて下さい。)

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