苦の海にただよえるものよ。涙の谷に沈めるものよ。ただ、弥陀の仰せをいただけよ

『浄土真宗 信心』(加茂仰順師)より引用

  二 大悲の親様のおよびごえ 

  一

 味わうべきこと。
 人生は苦の海なり。涙の谷なり。咲く花にも散る時あり。満てる月も欠ぐる時あり。生あるものに死あり。楽あるものに苦あり。
 会うものは常にはなれ、盛んなるものは衰へるは、人生の常相なり。苦の海にただよえるものよ。涙の谷に沈めるものよ。ただ、弥陀の仰せをいただけよ。
 さらばよく救われることを得ん。よし現世の波荒く、人の世の谷深くとも、逆巻く波にも、岩間の草の露にも、月はひとしくその影を宿すが如く、み親の光明はあまねく十方の世界を照らして、一切の人々を摂取して捨てたまわず、わが苦悩はこれによって抜かれ、わが涙はこれによってぬぐわれ、われ等の心の闇は、これによって破られるなり。
 これは、蓮沼門三様の言葉に、少し私の言葉を入れたものです。口ずさんでみますと、なかなか味わい、ふかいものがあります。

(p.17~p.18)



生死の苦海ほとりなし
 ひさしくしづめるわれらをば
 弥陀弘誓のふねのみぞ
 のせてかならずわたしける(高僧和讃)


ここを読んでいましたら、この御和讃が思い出されました。まことに人生は苦しみの海であり、涙の谷です。会者定離、盛者必衰はこの世の習い、楽しいこともありますが、「おもしろき こともなき世を おもしろく」という気持ちでやっていかなければやりきれないことが多々あります。今は年若く健康で、周囲の物にも恵まれ、身内も健在であっても、やがては一人、また一人と別れ、自身も老いや病で苦しみ、最後は死のためにこの世を去らねばならないでしょう。その時は、愛する家族も、苦労して手に入れたものも、この肉体とも別れて逝かねばなりません。そして得体の知れない未来、後生へと突っ込んでゆくのです。これでは何のためにこの世へ生まれ、生きているのか分かりません。死ぬために、苦しむために生まれ、生きているようなものです。
そういう人生にあって、弥陀の本願だけが私を本当に救って下さいます。所詮、生きるとは死へ向かっての行進であり、死は死でしかなかったものが、「死んだ後は私の国に生まれると思ってくれ」と喚びかけて下さるのですから、生と死の意味が全く変わってまいります。本願に喚び覚まされた人は、死ぬとは浄土へ生まれること、生きるとはその浄土へ向かっての行進ということになります。
物質的に何かを下さっても、それは無意味ではありませんが、私を本当に救うということにはなりません。流転輪廻の連鎖を断ち切り、さとりの領域に入らせて頂かない限り、私は生死の苦海に留まり、永久に脱することができずに彷徨い苦しみ続けます。弥陀の本願は、自力で出離することができず、永遠に迷いを重ねる私に、成就された本願力を廻向して往生成仏の身にして下さるという、私を本当に救って下さる弘誓のふねであり、まことに私の根機にあいかなった殊勝の誓願です。
ではこの殊勝の誓願をどのように信じたらよいのかと言えば、私の側からは何も造作は要りません。ただ、「助けるぞよ」の弥陀の真実なる言葉を聞き受け、お念仏を申すのみです。「助けて下さい」とお願いにかかるのではなく、「間違いなく助けるぞよ」のお喚び声をお聞きするのです。そうすれば阿弥陀仏は深くお喜びになって、その御身より大いなる光明を放って、この私を摂取して決してお捨てになりません。その後は、命ある限りはこのように易く私を助けて下された御恩を思えば、お念仏を称えて仏恩に報謝するばかりです。
人生に苦しみは絶えませんが、弥陀の本願に遇った人の人生とはすなわち浄土への旅であり、最後行き着く所の死とはすなわち浄土へ生まれるということです。そのような御同行に、これからも一人、また一人とお会いしていきたいと思います。
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淳心房&しゃあ

Author:淳心房&しゃあ
(淳心房)
平成21年10月に親鸞会を退会し、「親鸞聖人の正しい教えを真偽検証する」ということで、専らコメンテーターとしてやってきました(^^)v
しかし、ようやく自分の中での真偽検証は終了したので、名前も改め、淳心房と名乗ります♪
ただし「真偽検証」は今まで馴れ親しんだ名前ですし、親鸞会教義が親鸞聖人の正しい教えなのかどうなのか、一人一人が真偽を検証して頂きたいと思い、ブログのタイトルとして残しました。
一人でも見て下さる方があれば幸いです☆


(しゃあ)
平成21年8月に親鸞会を退会しました。淳心房さんと共同でブログを書いています。何かありましたらメール下さい~
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(スパム防止のため@を大文字にしてあります。メール送信時は小文字に変えて下さい。)

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