念仏往生とふかく信じて、しかも名号をとなへんずるは、疑なき報土の往生にてあるべく候ふなり。詮ずるところ、名号をとなふといふとも、他力本願を信ぜざらんは辺地に生るべし

 尋ね仰せられ候ふ念仏の不審の事。念仏往生と信ずる人は、辺地の往生とてきらはれ候ふらんこと、おほかたこころえがたく候ふ。そのゆゑは、弥陀の本願と申すは、名号をとなへんものをば極楽へ迎へんと誓はせたまひたるを、ふかく信じてとなふるがめでたきことにて候ふなり。信心ありとも、名号をとなへざらんは詮なく候ふ。また一向名号をとなふとも、信心あさくは往生しがたく候ふ。されば、念仏往生とふかく信じて、しかも名号をとなへんずるは、疑なき報土の往生にてあるべく候ふなり。詮ずるところ、名号をとなふといふとも、他力本願を信ぜざらんは辺地に生るべし。本願他力をふかく信ぜんともがらは、なにごとにかは辺地の往生にて候ふべき。このやうをよくよく御こころえ候うて御念仏候ふべし。
 この身は、いまは、としきはまりて候へば、さだめてさきだちて往生し候はんずれば、浄土にてかならずかならずまちまゐらせ候ふべし。あなかしこ、あなかしこ。(親鸞聖人御消息)


『教学聖典(4)』まで覚えている人なら、最後の一文は心当たりがあるでしょう。しかし、その前にはどんなことが書かれているかご存じの会員さんはどのくらいおられるでしょうか? ちなみに私はまったく知りませんでした。
ここで分かることは、一切衆生必堕無間の否定と、信心と念仏は不離の関係であることです。タイトルにも示した通り、「念仏往生とふかく信じて、しかも名号をとなへんずるは、疑なき報土の往生にてあるべく候ふなり。詮ずるところ、名号をとなふといふとも、他力本願を信ぜざらんは辺地に生るべし」と仰っている親鸞聖人が、全ての人は死ねば必ず無間地獄に堕ちて、八万劫中大苦悩ひまなく受けなければならないなどと説くわけがないでしょう。今思えば取るに足らない邪説ですが、私を含めこの呪いの言葉に苦しめられた人は少なくないと思います。

ところで、このお手紙では「信心ありとも、名号をとなへざらんは詮なく候ふ。また一向名号をとなふとも、信心あさくは往生しがたく候ふ。されば、念仏往生とふかく信じて、しかも名号をとなへんずるは、疑なき報土の往生にてあるべく候ふなり」と教えられ、念仏往生を否定することの誤りを正されています。親鸞聖人在世の頃、法然門下の諸流派が一念多念をめぐって互いに論争していました。一念とは一念義、多念とは多念義のことです。一念義とは、浄土往生は信心ひとつで決定する、またはひと声の称名で決定するとし、その後の称名を軽視する説です。これに対して多念義とは、浄土往生は一生涯数多くの念仏を称え、臨終来迎をまって往生が決定するとする説です。これらに対し親鸞聖人は、どちらも正しくないとし、信心が正因とした上で称名相続をお勧めになっています。
親鸞会では「称名念仏は、すべて信後報謝に限る」とし、念仏を軽視する傾向にあります。そして念仏を勧める者を称名正因の異安心呼ばわりしている始末ですが、親鸞聖人は悲しまれるでしょう。念仏はその体徳から言えば称える一声一声がこの上ない功徳をもった正定業であり、名号(念仏)を疑いなく信ずるのを信心というのですから、念仏と信心は切り離せない関係にあります。
しかし人真似ばかりに念仏していても、称えた功徳によって往生しようという自力心ある限りは報土へは往けません。同じく念仏を称えていても信心がなく、化土へ往ってしまう人がいるため、本願を信じ念仏を申して報土往生しなさいよと、このお手紙では教えられています。要は化土を誡め報土を勧められているということです。そして、親鸞はもうこの世の寿命が尽きて先に往生するけれども、報土で必ず必ず待っているから間違いなく来なさいよと仰っているのが最後の一文です。

このお手紙は、未来往生を仰ったことがある根拠とも言えますが、一切衆生必堕無間を否定された根拠でもあります。そして、定散二善等の諸行ではなく、信心と念仏を不利の関係として、十八願他力念仏を勧められた根拠でもあります。親鸞聖人の教えに忠実であろうとする者は、親鸞聖人や善知識方の教えに従って、第十八願のみを信じ念仏して報土往生の身となって頂きたいと思います。


【参照】
安心論題/信心正因
安心論題/称名報恩
安心論題/十念誓意
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淳心房&しゃあ

Author:淳心房&しゃあ
(淳心房)
平成21年10月に親鸞会を退会し、「親鸞聖人の正しい教えを真偽検証する」ということで、専らコメンテーターとしてやってきました(^^)v
しかし、ようやく自分の中での真偽検証は終了したので、名前も改め、淳心房と名乗ります♪
ただし「真偽検証」は今まで馴れ親しんだ名前ですし、親鸞会教義が親鸞聖人の正しい教えなのかどうなのか、一人一人が真偽を検証して頂きたいと思い、ブログのタイトルとして残しました。
一人でも見て下さる方があれば幸いです☆


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平成21年8月に親鸞会を退会しました。淳心房さんと共同でブログを書いています。何かありましたらメール下さい~
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