阿弥陀仏の本願の言葉を疑いを交えずに聞き受けていることを「信楽」という

今年の親鸞会の初聞法会は、アニメ映画『なぜ生きる』の蓮如上人の台詞

「『聞く一つで、大船に乗せる』ということは、阿弥陀仏の命を懸けたお約束だからです」

を演題として話がなされたそうです。その内容は、既に

これまでの主張を修正するも、誤魔化せないほどおかしい高森邪義

にも紹介されているように本願文と本願成就文の話です。

「若不生者」の「生」を”信楽に生まれさせる”とする解釈にまた戻りました

にありましたが、「若不生者」の「生」を”信楽に生まれさせる”とする従来の解釈でこの度も説明したとのことです。「若不生者」の「生」については最近当ブログでも

「なにごともなにごとも」は口だけの高森顕徹会長

にて触れています。その解釈のおかしさについては『飛雲』をご覧頂くとして、今回当ブログでは

「信楽」の「信」は明るい心、「信楽」の「楽」は楽しい心

とする解釈は適切なのか、親鸞聖人のお言葉を通して見ていきたいと思います。


「至心信楽」といふは、「至心」は真実と申すなり、真実と申すは如来の御ちかひの真実なるを至心と申すなり。煩悩具足の衆生は、もとより真実の心なし、清浄の心なし、濁悪邪見のゆゑなり。
「信楽」といふは、如来の本願真実にましますを、ふたごころなくふかく信じて疑はざれば、信楽と申すなり。この「至心信楽」は、すなはち十方の衆生をして、わが真実なる誓願を信楽すべしとすすめたまへる御ちかひの至心信楽なり、凡夫自力のこころにはあらず。
(尊号真像銘文)

このことから「信楽」とは、

阿弥陀仏の本願が真実であることに疑いが無い

ということだと分かります。阿弥陀仏の本願の言葉を疑いを交えずに聞き受けていることを「信楽」というのです。そしてそれは「凡夫自力のこころにはあらず」ですから我々凡夫が自力で起こす信心ではなく、如来より与えられる他力回向の信心です。このことは「信文類」にも、

次に信楽といふは、すなはちこれ如来の満足大悲円融無碍の信心海なり。このゆゑに疑蓋間雑あることなし。ゆゑに信楽と名づく。すなはち利他回向の至心をもつて信楽の体とするなり。

【現代語訳】
次に信楽というのは、阿弥陀仏の慈悲と智慧とが完全に成就し、すべての功徳が一つに融けあっている信心である。このようなわけであるから、疑いは少しもまじることがない。それで、これを信楽というのである。すなわち他力回向の至心を信楽の体とするのである。

とある通りです。この後、「信文類」では機無・円成・回施の解釈を施されていますが、要は真実清浄の心は全く無く、果てしない過去から迷いを重ねてそこから離れることができない我々に、阿弥陀仏が五劫永劫の御修行を経て南無阿弥陀仏の六字の名号を成就され、それを私達に施し与えて浄土に導こう、私達を救おうとなされているということです。こうした南無阿弥陀仏の六字のこころ、すなわち「仏願の生起・本末」を聞いて疑いが無いことを「信楽」というのでした。

ですから、「信楽」とは「我々の心を明るく楽しい心にする」ということではないのです。真実心のカケラもない者に真実心を与える、その真実心が「信楽」であり、真実心を賜って本願の仰せを疑いなく聞き受けた状態、それを「信楽」というのです。所詮は我々の心は煩悩に穢れた不真実なもの、嬉しい楽しいという感情も煩悩の範疇を出ません。コロコロ変わり通しであり、順境には感謝できても逆境が続けば「何で俺だけこんな目に・・・」という感情は禁じ得ません。この変わり通しの我々の心は、本願を信受しようがしまいが死ぬまで変わりません。そんな心をどうこうするという程度の話ではないのです。

このように「信楽」の意味を親鸞聖人のお言葉を通して見てきましたが、そうすれば「若不生者」の「」が「信楽に生まれさせる」という解釈が如何にヘンテコなものかお分かり頂けると思います。既に本願の仰せを疑いなく聞き受けて「信楽」になった者を更に「信楽に生まれさせる」のでしょうか?

「若不生者不取正覚」といふは、「若不生者」はもし生れずはといふみことなり、「不取正覚」は仏に成らじと誓ひたまへるみのりなり。このこころはすなはち至心信楽をえたるひと、わが浄土にもし生れずは仏に成らじと誓ひたまへる御のりなり。

親鸞聖人の解釈をよくよくご覧下さい。たとえ納得がいかないことでも、親鸞聖人のなされた通りにする人が「親鸞学徒」だそうですが、親鸞聖人の解釈を無視して高森会長の解釈を受け容れるようなら最早その人は「親鸞学徒」ではなく「高森学徒」でしょう。早く「親鸞学徒」になられるようにお勧めします。


我々の心を明るく楽しい心にする」とか、こうした現世利益で釣らなければ会員のモチベーションを維持できないことは度々述べてきました。では、「信楽」を得たら、我々の心は変わるのか変わらないのか。私は・・・

●教えを説くべし
 親鸞学徒は 自己を語らず 教えを説くべし
(『顕正新聞』平成29年1月1日号6頁)

おっとっと。とのことですので止めておきましょう。
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今回も詳しく分かりやすい解説、有難うございます。

恥づかしながら教行信証の通読は途中で挫折中なのですが、淳心房さんやネット上で真摯にお聖教に向き合う方々に背中を押されるように、ちょいちょいお聖教を開いています。
今日は安心決定鈔(本)を通読して大変有難く満足していますw
難しいお聖教にも取り組まないと、と思うのですが、なかなか…(´-`)

今回のブログ内容と若干ずれてるかもですが、大好きな安心決定鈔から、一部を最後に引用させて下さいまし。

【仏の正覚は衆生の往生より成じ、衆生の往生は仏の正覚より成ずるゆえに、衆生の三業と仏の三業とまったく一体なり。仏の正覚のほかに衆生の往生もなく、願も行もみな仏体より成じたまへりとしりきくを念仏の衆生といひ、この信心のことばにあらはるるを南無阿弥陀仏といふ。かるがゆえに念仏の行者になりぬれば、いかに仏をはなれんとおもふとも、微塵のへだてもなきことなり】

南無阿弥陀仏
南無阿弥陀仏

Re: R1000様

しかれば「南無」の二字は、衆生の阿弥陀仏を信ずる機なり。つぎに「阿弥陀仏」といふ四つの字のいはれは、弥陀如来の衆生をたすけたまへる法なり。このゆゑに、機法一体の南無阿弥陀仏といへるはこのこころなり。これによりて衆生の三業と弥陀の三業と一体になるところをさして、善導和尚は「彼此三業不相捨離」(定善義)と釈したまへるも、このこころなり。(御文章3帖目7通)

を思い出しました。大変有難く感ぜられます。弥陀の三業と一体とは言え私の三業が良くなったわけではありませんが、弥陀の五劫永劫の願行が我々に届いたおかげによって間違いなく往生が定まる身となるとは、不思議の中の不思議です。我が身の浅ましさと、如来の願力のたのもしさをいよいよ知らせて頂きます。

No title

『安心決定鈔』はありがたいですね。
この書は、浄土宗西山派の方が著されたといわれますが、林遊は信心を求めて悩み彷徨する人に読むことを勧めています。
蓮如さんは『御一代記聞書』に、
(249)
一 前々住上人(蓮如)仰せられ候ふ。『安心決定鈔』のこと、四十余年があひだ御覧候へども、御覧じあかぬと仰せられ候ふ。また、金をほりいだすやうなる聖教なりと仰せられ候ふ。

「金(こがね)をほりいだすやうなる聖教」とされていますから、本願寺派では聖教(準聖教)としています。大谷派では「ほりいだす」ならば瓦礫も混じっているとして聖教とはみなさないようです。
ともあれ、蓮如さんの「機法一体論」は、『安心決定鈔』に依るのですが、信心を強調する蓮如さんは、往生と正覚の機法一体論は依用されないのでした。いわゆる十劫安心、

「それ、弥陀如来はすでに十劫正覚のはじめよりわれらが往生を定めたまへることを、いまにわすれず疑はざるがすなはち信心なりとばかりこころえて、弥陀に帰して信心決定せしめたる分なくは、報土往生すべからず。さればそばさまなるわろきこころえなり。」(お文3-8)

として否定されたのでした。
大谷派の金子大栄師は、「手に入ったものは手放しで話ができる」と仰いましたが、本願力回向のご信心の上からは、往生と正覚の機法一体は有り難いことです。

なんまんだぶ なんまんだぶ なんまんだぶ

Re: 林遊@なんまんだぶ様

私は飛雲さんが紹介している箇所位しか知らない程度でしたが、これを機に一度通読してみたいと思います。すみません、勉強不足で・・・((+_+))

なるほど、確かに『安心決定鈔』では弥陀の正覚成就と衆生往生が一体と読めますね。それで蓮如上人は南無阿弥陀仏の六字のこころをよく心得て信心決定しなければ往生はおぼつかないと我々の陥りやすい穴を塞ごうとしておられるのだと理解しました。

どちらの御指南も有難く感ぜられます。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。
プロフィール

淳心房&しゃあ

Author:淳心房&しゃあ
(淳心房)
平成21年10月に親鸞会を退会し、「親鸞聖人の正しい教えを真偽検証する」ということで、専らコメンテーターとしてやってきました(^^)v
しかし、ようやく自分の中での真偽検証は終了したので、名前も改め、淳心房と名乗ります♪
ただし「真偽検証」は今まで馴れ親しんだ名前ですし、親鸞会教義が親鸞聖人の正しい教えなのかどうなのか、一人一人が真偽を検証して頂きたいと思い、ブログのタイトルとして残しました。
一人でも見て下さる方があれば幸いです☆


(しゃあ)
平成21年8月に親鸞会を退会しました。淳心房さんと共同でブログを書いています。何かありましたらメール下さい~
singikensho@yahoo.co.jp
(スパム防止のため@を大文字にしてあります。メール送信時は小文字に変えて下さい。)

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